ふるさと納税 限度額

やればやるほどおトクな「ふるさと納税」ですが、実は無制限にいくらやってもおトクになるというわけではありません。「控除」を受けられる金額には上限があります。

「ふるさと納税」というネーミングがキャッチーで素晴らしいと思うのですが、このお金は、税法上は税金ではなく寄附金として扱われています。

赤十字やユニセフ、学校などの教育機関、一定の条件を満たして公共的な仕事をしている団体などを支援するために行う寄附は、寄附した人のその年の所得の40%を上限として(寄附金額-2,000円)の金額が所得控除されるものとなっています。この税法の特典を受けることができる寄附金の上限が、「寄附金の限度額」と呼ばれているものです。

※ 税法上の「所得」という言葉は、収入金額から税法上認められているさまざまな費用を差し引いた金額をいいます。所得に税率をかけて、税額が算出されます。

限度額は寄附の金額を制限するものではありませんが、限度額を超えた寄附金は所得控除の特典を受けることはできません。たとえば、所得金額の全額を寄附した人の所得は「0」になりますが、それでも寄附する前の所得の60%にかかる税金は納める必要があります。このように、限度額を超えて寄附をすると、超えた金額にかかる税金の分だけ出費が増えることになります。

ふるさと納税は、寄附先を市区町村に限って寄附金の限度額を設けた制度です。限度額の範囲であれば(寄附金額-2,000円)の金額まで所得控除を受けることができます。つまり、実質負担2,000円だけで、ふるさと納税をして御礼の品をいただくことができます。

では、実質負担が2,000円で済む限度額とは具体的にいくらになるのでしょうか。

目安となる金額は、その人の所得金額の2%です。所得が500万円の人なら、10万円が限度額になります。

ふるさと納税ポータルサイトのさとふるで、収入と家族構成からだいたいの限度額を試算できます。源泉徴収票や確定申告書があれば、かなり正確な金額がわかりますよ。

ふるさと納税限度額シミュレーション

 ふるさと納税限度額シミュレーション

「所得金額の2%」という基準は、実はかなりざっくりしたもので、厳密に計算するともう少し大きな金額になります。とくに所得の大きな人(所得税率が高い人)ほど大きなパーセンテージになります。

ただ、限度額の範囲内でふるさと納税をすることが目的の場合は、このぐらいのざっくりした計算で十分だろうと思います。というのもふるさと納税は、その年の所得が確定する前に申し込みを済ませておく必要があるからです。未確定のものに対して、そこまで厳密な計算をしてもどうかと思うのです。

でも、もっと正確な数字が知りたいという人は2%の代わりに、次の式で計算されるパーセンテージを使って下さい。

(式) [2÷(1-所得税率×1.021-10%)]

※ 追伸:こちらの記事で、正確な限度額の計算方法について説明をしました。

2,000円の自己負担だけでふるさと納税ができる寄附金額について、大まかな目安はこちらで書きました。 以下の記事ではできるだけ正確...

ところで、上記の限度額の範囲内で寄附をしたのに、自己負担が2,000円だけでは収まらないことがあります。以下に、ふるさと納税の自己負担額が2,000円を超えるケースをご紹介しますので、参考にして下さいね。

1.ふるさと納税の寄付金控除をすると所得税率が下がる人

所得税は所得金額によって税率が決まり、所得が高いほど税率が高くなるようになっています。税率は以下のように段階的に決まっています。

所得金額 所得税率
 195万円以下 5%
 195万円超  330万円以下 10%
 330万円超  695万円以下 20%
 695万円超  900万円以下 23%
 900万円超 1,800万円以下 33%
1,800万年超 4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

出典:国税庁 28年4月1日現在

上の表で所得税率が上がる境界の所得金額を、少しだけ上回る所得の人が要注意です。

たとえば、所得が331万円の人がふるさと納税で寄附金を控除して、所得税率が10%の範囲の所得になると、実質負担額が2,000円を超える金額になります。ふるさと納税額を所得控除した結果、適用される所得税率が下がる人は、このようなことになります。ふるさと納税の所得控除前後で所得税率が変わらない人は、こうした不利益は起こりません。

だから、税率が下がるちょっと上の所得金額の人は、実質2,000円だけの負担としたければ、税率が下がらない範囲の金額でふるさと納税をする必要があります。所得が331万円の人は、9千円なら大丈夫ということになります。

なんでそうなるのか、という説明は冗長になるのでここではしませんが、原因は住民税の控除額を計算するときの計算式の構造にあります。制度上のことなので、仕方ないと思って下さい。

 ※ ワンストップ特例制度を利用する人は、全額が住民税から控除されるので大丈夫です。

2.住宅ローン控除の適用を受けている人

これは、住宅ローンを借りている人しか関係ありません。

住宅ローン控除を受けている方は、ご自身の所得税の一部あるいは全部が控除されていることをご存知だと思います。住宅ローン控除は一定の枠の中で所得税、住民税の順に控除することができる税額控除です。所得税は全額控除することができますが、住民税には控除の限度額が決められています。

住宅ローン控除でもともと所得税が0円になっている人、ふるさと納税の(寄附金額-2,000円)を所得控除して税額を計算すると所得税が0円になる可能性がある人は、住民税からも住宅ローン控除を受けることになります。このような人は自己負担額が2,000円を超えるかもしれません。どうなるかは、住民税の控除にまわる住宅ローン控除枠と住民税の控除限度額で決まります。

① もともと(所得税控除後の住宅ローン控除枠)が(住民税の控除限度額)を超えている場合は、ふるさと納税をしても控除される所得税が1円もないし、ふるさと納税の所得控除でさらに住民税の控除が増えても、住民税の控除が増えることがないため、結果として住宅ローン控除額がふるさと納税の所得税控除額の分減ってしまうだけ、になります。だから、ふるさと納税の所得税控除額がそのまま自己負担増になります。

② ふるさと納税の所得控除をすると、それで増える(所得税控除後の住宅ローン控除枠)が(住民税の控除限度額)を超える場合は、その超過額が自己負担増になります。

③ ふるさと納税の所得控除をしても、増えた(所得税控除後の住宅ローン控除枠)が(住民税の控除限度額)を超えない場合は、住民税の控除が増えた分も住民税の控除限度額に収まるので、自己負担が増えることはありません。

※ 住宅ローン控除の住民税の控除限度額は、消費税が5%のときに住宅を取得した人は所得税の課税所得×5%(上限は97,500円)、消費税が8%のときに住宅を取得した人は所得税の課税所得×7%(上限は136,500円)です。(平成31年6月30日まで)

また、ふるさと納税の所得控除で所得が減って所得金額が195万円以下になる人は、住民税の住宅ローン控除限度額も減ってしまいます。この人が上記の①か②に該当するときは、限度額の減少分も自己負担増になります。

住民税の住宅ローン控除限度額の詳細は、総務省のウェブサイトでご確認下さい。 

 

3.一時所得の合計額が50万円を超えてしまう人

ふるさと納税の御礼の品は、一時所得という名前の所得として、所得税の計算をするときに計上しなければなりません。一時所得は、年間50万円以下ならば控除されるので非課税となりますが、50万円超の金額は所得の計算に入れる必要があります。

御礼の品の価値がいくらか、については明示してくれる自治体もしてくれない自治体もあるので、一時所得の金額として御礼の品をいくらにすればいいのか、ということは悩ましい点になるかもしれませんが、仮に10万円の寄附をして還元率が30%の品をいただくと、3万円の一時所得を得たことになります。

これだけでは50万円になりませんが、他にも一時所得があるときは注意が必要になります。国税庁のウェブサイトでは、一時所得は以下のように説明されています。

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。

(1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)、競馬や競輪の払戻金

(2) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等

(3) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除きます。)

(4) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

上記のような収入があった年に、ふるさと納税をして御礼の品をいただいたき、合計金額が50万円を超えてしまった人、かなりの金額をふるさと納税したために御礼の品の価値が50万円を超えてしまうような人は、所得税のうち一時所得にかかる税額の一部または全部が2,000円を超える自己負担額になります。

こちらのサイトも参考になります。

限度額の目安を知りたい方は、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」のシミュレーションツールがわかりやすくていいと思います。収入と家族構成を入れるだけでだいたいの限度額がわかります。

ふるさと納税限度額シミュレーション

 ふるさと納税限度額シミュレーション

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